今日、訪問看護で伺っている入居者さんが、初めて爪を切らせてくださいました。
これまで何度も「爪が伸びて危ないので切らせていただけませんか」とお声かけしてきましたが、そのたびに首を横に振られ、手を隠されていました。無理にするわけにもいかず、いつかタイミングが来ることを願いながら声をかけ続けていました。
今日も「やっぱり難しいかな」と思いながら「爪切りをさせてもらえませんか」とお聞きすると、なんと小さく「うん」とうなずかれました。驚いて思わず二度聞きしてしまいましたが、やはり「うん」と。胸の奥がじんわり温かくなりました。
そこからは私自身も緊張しながら、痛い思いをさせないように一本一本丁寧に爪を切り、最後にやすりをかけました。作業が終わったとき、言葉にはしなくても「信頼」が少し深まったような、そんな静かな喜びを感じました。
この経験から「諦めずに声をかけ続けること」が大切だと改めて学びました。これからも焦らず、寄り添いながら、一緒に安心できる時間を積み重ねていきたいと思います。